diary

ボベ貝とボベ飯

ボベ貝を獲って、ボベ飯を作ることにハマっている。


小さい頃は家族で海に行ったら海辺でボベ貝を獲ったりしていたけれど、海士町に来てからというものアウトドアとは綺麗さっぱり無縁な日々を過ごしており、しかしここにきて青天の霹靂、島暮らし9年目にして海士町のボベ貝の収穫に至っている。

海士町のボベ貝は大きい。とは言っても、ボベ貝を意識して見るのは何十年ぶりのことになるので、小さいころに獲った記憶のボベ貝とのサイズの比較になるけれど、それでもはっきりと大きいことがわかるし、何より背丈がある。大きいボベ貝は肉厚で、炊き込みご飯にしたときにプリプリの食感で、最高だ。

そんな大きなボベ貝が岩にたくさん引っ付いているわけだから、たまらず興奮してしまうし、調子に乗ってついつい獲り過ぎてしまうから自制をきかさなければならない。ボベ貝を獲ることに夢中になり過ぎないように自分との戦いが始まるのだ。獲り過ぎて一掃してしまって絶滅してしまったらボベ貝の未来がない。だから必要な分だけ獲って食べる。この関係性が持続可能な、いわゆるサスティナブルな僕とボベ貝の関係性だったりする。と、ついついボベ貝の未来について考えてしまうほどに、獲ることは楽しくて夢中になってしまうのだ。

ボベ貝は調理も楽しい。火にかけるとツルっと貝と身が外れる。その感じがたまらない。それをつまみ食いするのも最高だったりする。その際に出汁にもボベ貝が詰まっていて最高だ。と、ベタ褒めなボベ貝だが、ボベ貝の炊き込みご飯、いわゆる「ボベ飯」をなかなかうまく炊き上げことができないでいる。あるときは味が薄かったり、あるときはご飯とボベ貝の配分を間違えてお米がべちゃべちゃになって焦げてしまっていた。奥が深いボベ飯ではあるけれど、少しずつ究極に近づいていることはわかる。

様々なレシピを見たところで出汁の濃度は違うし、ボベ貝の量も、炊飯器の勢いも違う。我が家の炊飯器との答えを探りながら、究極のボベ飯への試行錯誤は続く。ボベ貝とボベ飯への好きが止まらない。

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