diary

2020/5/28

昨晩、辻井伸行さんのウィーンでの演奏をyoutubeで見ていたら、ものすごく泣けてきた。なんでだろう、良いのはわかるけれど、それを超えて、”すごく”良かった。かさかさしてた目の、奥から涙がぐぅっと滲んできた。

12年も前に父さんに買ってもらったBOSEのヘッドフォンに無理をしてもらって音を最大にして、静寂と、ピアノの音とたまに観客から聞こえる咳込んだ音で、一緒に緊張して聴いていた。リストのラ・カンパネラを聴いていた。

細野さんが、良い音は、いくら大きくしてもうるさくならない。逆に、どんなに小さな音でも不快な音はうるさく聞こえる。みたいなことを言っていたことを思い出した。

夜にひとり部屋にこもって、ビールを静かに飲みながらなんのけなしに見始めた辻井伸行さんの映像に、あぁ、くるなぁ、と目に涙を浮かべながら鳥肌が立つのを感じながら、僕はまだ生きているし、辻井さんも生きているし、死ぬまでにお会いしたいなぁと思った。

いま、同じ時間を生きている、ということの可能性って、会いに行ける、に尽きるな、と思った。


今朝は、辻井伸行さんのショパンのエチュードを聴いていた。

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