diary

あわよくばマラソン大会に出たい。2

今日が、西ノ島ハーフマラソン当日だったが、今年も走ることができなかった。なんとか今年こそ出場して、三度目の正直となるはずが、不覚にも二度あることは三度ある、になってしまった。

僕の西ノ島ハーフマラソンに出るという話は、3年前まで遡ることになる。


僕は島の観光協会で働いていながら、アウトドアではないことがコンプレックスだ。島に移住して6年が経ったけど、シーカヤックは一度もしたことがない。スキューバダイビングも一度もない。魚は大好きだけど、釣りなんて5分も待ってられないし、海水浴なんて1年に1回するかしないかだ。バーベキューも準備と片付けが億劫で、海を見ながらビールさえ飲めたらそれで幸せだ。

そんな自分を、変えたいと思ったときが、あった。せっかくこんなに素晴らしい自然に囲まれた暮らしを送っているのだから、もっとそれらしい暮らしを送るべきだ、と。自然を舞台とした何かを始めようと思った時に、ふと思いついたのが、マラソンだった。「島でマラソン」という響きに、妙にイケてる感じがして、ハマった。

1年目。マラソンシューズを買うことから始める。なんでもそう、格好から入る。カッコイイマラソンシューズ、足にフィットしたマラソンシューズを買わない限り、マラソンの練習のスタートが切れない。島に靴屋さんはないからインターネットで買うことを考えたけど、長時間走るシューズを、履き心地を確認せずに買うのは、ランナーとしてどうなの?という理由からやめた。帰省や出張で都市部へ行ったときに、ついでに靴屋さんに行って買おうと思っていたら、気付いたら大会を過ぎていた。1年目はマラソンシューズを買えなかったから、練習のスタートすら切れず終わった。

2年目。1人ではマラソン大会にエントリーすることすらできないことを認め、仲間を作ることを考えた。企画は、西ノ島ハーフマラソンは午前中で終わるので、完走してから午後のフェリーに乗り込み、そこでまずビールで祝杯。七類についてから皆生温泉に移動し、温泉につかり「あぁ極楽」。そして翌朝には島に戻るという、身も心も癒し倒して尚且つ日程も優しい極上の小旅行を企画して仲間を募ったら、一緒にマラソンに走ってくれる人が現れるに違いない。ということで企画をしたら、仲間ができた。それが、高田さんと山野さんだった。仲間ができたことで、頑張れる。僕は前回の失敗を生かし、かなり早い段階で大会にエントリーを果たした。これで走ること決定だ。高田さんも山野さんも一緒にエントリーしてくれて、あとはどう練習するか、どんなウェアで走るか、どんなマラソンシューズで練習するか、という話題で盛り上がった。アップルウォッチを買っといたほうがいいんじゃないの?とか、話をした。

しかし、去年も走れなかった。高田さんは用事が入ってしまい、僕は僕で、友達の結婚式がマラソン大会の日と被ってしまい、割と早い段階で欠場が決まった。割と早い段階で決まったことで、結局マラソンシューズは買ってないし、ウェアも買ってないし、唯一決めたことと言えばナイキですべてを揃えることくらいだった。

山野さんだけは走らない理由がなく、ひとりで出場を果たし、完走した。そしてひとり、午後のフェリーに乗り込んだ。

言い出しっぺの僕はいたたまれない気持ちだったので、皆生温泉から合流して、一緒に温泉に入って、一緒にビールをしこたま呑んで、山野さんのナイスランを労った。

数日後、無情にも事務局から、不参加にもかかわらず参加賞としてサザエカレーが届いた。


3年目。今年はなにもできずに今日を迎えてしまった。今日走れたら、気持ちよかっただろうな、と思った。

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